ワキガ

低侵襲な医療がトレンド?ワキガ手術せずに治す技術が発達してきた

医療研究が進み、病気やコンプレックスを取り除くために、できるだけ体に負担をかけない治療が普及しています。

ワキガ・多汗症の治療をうけるのであれば、低侵襲な医療であるということも、治療法を選ぶ1つの選択肢となるでしょう。

低侵襲という考え方や、負担の少ない治療法をみていきましょう。

Contents

侵襲とは

低侵襲とは

侵襲とは、医療用語で患者の体を治療のためにメスで切ったり、痛みを感じる検査や治療をすることを表します。

その逆で、低侵襲とは、治療によって患者が受ける体への負担を軽くし、さらに治療効果を高める医療を目的にしています。

医療分野で低侵襲という考え方が普及してきている

低侵襲ワキガ治療効果

技術革新により、低侵襲でより効果的な医療を目指すために、医療機器も日々進歩してきています。

例えば、内視鏡手術です。

内視鏡手術とは、開腹をするのではなく、お腹の数か所のみを切開し、ビデオカメラと特殊な手術器具を挿入し、手術を行います。

お腹を大きく切開しないので、内臓への負担や術後の癒着(治癒する過程で、組織どおしがくっついてしまうこと)のリスクを軽減、さらに術後の回復が早いため、

患者の負担を大きく軽減させることができる内視鏡手術はまさに低侵襲の考えのもと、患者に提供されています。

また身近な例でいうと、薬を飲みやすくするための専用のゼリー飲料があります。

飲むときの違和感や痛みを軽減するために作られているもので、これも「負担をかけない」という考えが働いているのではないでしょうか。

このように、体の負担を軽減しながら、治療効果を高める治療法や手術ができるよう、医療機器が発達してきているのです。

ワキガ手術では、リスクをどこまで許容できるかが重要

ワキガ手術リスク

外科的な手術によって、発生するかもしれない術後のリスクや副作用などを許容する必要があります。

切開によるワキガ手術では、以下のリスクが懸念されています。

・ダウンタイムが長い(ダウンタイムとは、施術してから回復するまでの期間のこと。

手術後、痛みや腫れを感じたり、傷の治癒のため日常生活が制限されることがある)

・手術痕が残ってしまう

・皮膚の一部が色素沈着してしまう

・皮膚がひきつれを起こし、痛みや可動域に影響がでる

・回復に要する時間が長い

・安静のため入院が必要

また、剪除法(脇を切開して、汗腺を取り除く手術)によるアポクリン汗腺の除去などは、医師が直接汗腺を確認しながら取り除く術式のため、医師の技量によっては汗腺の取り残しなど発生する可能性もあります。

手術後のリスクは高いにも関わらず、医師の熟練度によっても治療後の効果が左右されるため、

手術リスクの許容と、わきが手術経験豊富な医師を見つけることは、手術をはじめて検討する人にとっては、かなりハードルが高いと感じる方も多いでしょう。
【2018年版】ワキガ手術・多汗症治療法と費用について | 汗治療のプロ

切らないワキガ手術「ミラドライ」

ミラドライ治療

手術によるリスク、副作用を回避できるのが、マイクロ波を使った切らない治療である「ミラドライ」です。

ミラドライは、手術で汗腺組織をごっそり除去するのではなく、マイクロ波でアポクリン腺、エクリン腺、皮脂腺にダメージを与え、機能の働きを停止させるものです。

手術によって、血管を傷つけることもないの出血による感染症などの心配もありません。

ミラドライの治療効果と安全性については、アメリカのFDA(日本の厚生労働省にあたる政府機関)が認可していて、医療機器はワキガ治療専門のものです。

ミラドライは、体に負担の少ない、次世代のワキガ治療として注目されています。

【2018年版】切らないワキガ治療「ミラドライ」治療法と費用まとめ | 汗治療のプロ

メスを使わないワキガ治療を選ぶメリット

ミラドライメリット

ミラドライが注目されているのは、体を大きく切開せずに、高い治療効果を提供できる低侵襲な治療だからです。

ミラドライは以下のようなメリットがあります。

・低侵襲な治療である
手術ではなく、マイクロ波を皮膚に照射する治療です ・術後、皮膚の傷や後遺症がほぼない
肌へのマイクロ波照射のみなので、切開による傷跡がありません。

切開しないので、術後に皮膚どうしの引きつれなどは発症しません。

・治療時間、ダウンタイムが短い
治療時間は片脇20~30分、両脇で約1時間程度で終了します。

術後に固定などしなくてもいいので、シャワー浴もできます。

・効果は半永久的に持続
ミラドライは照射熱によるダメージを汗腺にあたえ、汗腺機能を停止させるため、手術で汗腺を取り除くのと同じ効果があります。

ミラドライ治療患者、術後の満足度調査結果が圧倒的

ミラドライ手術後の満足度

カナダのブリティッシュコロンビア大学では、多汗症患者へのマイクロ波治療について研究がされています。

・汗がかなり気になる、ときどき不都合を感じる
・汗がひどくいつも困っている
と回答した31名にマイクロ波治療を受けてもらい、施術後の満足度調査を行いました。

皮膚疾患を持つ患者の生活の満足度を測る指標にDLQIというものがあります。

※DLQI(Dermatology Life Quality Index)とは、10個の質問で生活の満足度を測る方法です。
最も最悪な状態が3、良い状態を0とし、
30点が、すべての項目で最悪と感じる状態です。

マイクロ波治療前と治療後を比較すると、患者の満足度は11.8ポイントだったところ、治療の24ヶ月後は1.3ポイントと大幅に減少する結果でした。

※5ポイント減少すると、臨床結果として有効な差とされるため、10ポイント低下していることから、マイクロ波治療後の生活の質が大きく改善されたと推察されます。

マイクロ波(マイクロウェーブ)は安全なのか?

マイクロウェーブ副作用

ミラドライの医療機器としての認可、安全性は、米国のFDAとよばれる、日本の厚生労働省にあたる機関によって正式に与えられているものです。

マイクロ波(マイクロウェーブ)の先駆けとしては、がん治療にすでに用いられています。
マイクロ波による発熱を、がんの治療や止血に使われているのです。

幅広い医療の分野で使われているマイクロ波は、安全性と効果が実証されて、現代の医療現場で使われています。

テレビ、携帯電話、レーダーなど用いられており、ミラドライは電子レンジに似ていると言われています。

電子レンジは、食材の水分に反応してモノを温めますが、ミラドライは汗腺の水分に反応して熱を発生させます。

発生した熱で組織全体が熱傷はしません。

マイクロ波が皮膚下で、汗腺の水分がある箇所に熱のエネルギーをピンポイントで集中させます。

その熱によって体への負担をかけず、汗腺のみに効率よくダメージを与えられるのです。

治療後に起こる症状について

ミラドライ術後の症状 ダウンタイムがほぼないと言われているミラドライですが、
日常生活には支障がない程度に、術後の症状がある場合があります。

・1週間〜数週間、水ぶくれができる

・1ヶ月〜3ヶ月程度、テニスボールを挟んだようなしこりを脇の下に感じる

・1ヶ月〜6ヶ月ほど皮膚感覚、腕の感覚に違和感を感じる
ミラドライとビューホットどちらがワキガに効くのか | 汗治療のプロ

まとめ

ミラドライ手術経験

術後症状には個人差があるものの、切開手術に比べると、体に負担をかけず、傷跡リスクを減らすことができることがミラドライの治療です。

個人差はあるので、アポクリン汗腺が活発な人、皮膚下の深い所にアポクリン汗腺がある場合は、1回以上の照射が必要となります。

わきがのニオイを軽減したい方は、クリニックでカウンセリングを受けてみることをおすすめします。